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『異常なんですよ』

2018/09/07 13:45:32 | ◆『妙子』の仮面の内側 | コメント:0件

愛人生活を長く続けていると、何が普通で、何が普通じゃないか、その境界線が少しずつぼやけてきます。

既婚男性とお付き合いすること。
その関係の中でお金をいただくこと。
自分の力では手に入らないような経験や贅沢をさせていただくこと。
そして、何よりも、世間の常識に背を向けてでも『この人のそばにいたい』と思うこと、それを実行し続けること。
…以前は、それらのとこに対する罪悪感というか、後ろめたさみたいなものが、もっと強く合ったはずなのに…
今は…無いとは言わないけれど(笑)ずいぶん薄れてしまっていることは、間違いない。
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数多くある愛人ブログのなかで、
愛人生活が普通のことになった
とか
今の生活を特に特別と思わなくなった
とか、おっしゃる方々、結構お見かけします。

私にもそういう側面はないわけではないけれど、これが普通じゃないことを忘れてはいけないと思うわけで。
ブログを書き続けることは、これが普通ではないことを自分に忘れさせないための手段でもあるわけで…





これが普通じゃない、そのことを忘れてはいけない
そう、思い続けさせてくれるのは、やはり、仕事柄…というところがあるかもしれません。

私の勤め先では、生活背景に『何か』ある患者さんのカルテは、赤いフォルダに入って上がってきます。
生活保護、前科あり、医療費未払い、医療スタッフへの暴力、などなど。
産婦人科では上記以外に、未婚妊婦、婚外妊娠、水商売風俗従事など、もしくはその疑いのある妊産婦さんも、赤いフォルダで届きます。
出産後は、そんな彼女達から生まれたお子さんのカルテも、赤いフォルダに入ります。

生活背景を自分から話す患者さん、話さない患者さん、様々いらっしゃいますが…
意外と分かるものです、外来で何度も何度も会ってお話ししてお股とお腹を診させていただけば、『あれ、この人…?』って。
直球ではない質問をして、『ああやっぱりそうでしたか』となる話術、患者さんと話しているといつの間にか身につきます。

医療職者ですからね、お金もらってますからね。
『普通の家庭』に生まれることにならない赤ちゃん達が、安全に生まれて育児をしてもらえるよう、私たちは出産準備指導をしたり補助金や各種制度の手続きをオススメします。
表情一つ変えずに、その人を非難する言葉一つ口にせずに…。

…オモテ向きは…ね。


ナースステーションの申し送りので、『普通』の結婚・出産ではない彼女達の順番が来ると、もう、空気の冷たいこと冷たいこと(汗)
赤いフォルダが出てきて、患者さんの背景が伝えられた瞬間、さっと空気が変わります。
結婚相手が外国人で入籍手続きが出産に間に合わなかった、とかであれば、赤いフォルダであっても和やかに申し送りは進みますが…
赤ちゃんのお父さんには別の家庭がある、とか、今後の生活費はその男性から支払われる、とか、その男性はまだ一度もお見舞いに来ていない、とか申し送られようものなら、申し送り用テーブルに木枯らしが吹きます。
そして、誰からともなくため息が漏れるのです、『心配だね』と。

今は、それでいかもしれない。だけど、なんの保障もない関係が今後破綻したら?
経済的に、社会的に、生まれてくる子供はどんな育ち方をするのか?
ただでさえ苦しい側面が多いのが子育てというものであるのに、そのうえ不安定な立場に置かれる母親に、丁寧な育児ができるのか?
…など。
表現される言葉はスタッフによってさまざまです。
バッサリ言い捨てるスタッフも珍しくありません、
『そんな相手を選んで、そんな環境で子供を産み育てる選択をするその女性自身が、異常なんですよ』と。
入職当時は、まるで自分のことを言われているような気がして、赤いフォルダの申し送りのたびに胃が痛くなったものです。


『普通の家庭に生まれなければ子供は幸せに育たない』なんて、俗にいう『一般常識』とやらが押し付ける偏見でしかないのかもしれません。
両親がそろっていなくても、経済的に不安定であっても、親族に認められていなくても、幸せに生まれ育つお子さんも少なくありません。
実際…『旦那さん』と『本妻さん』と『お妾さん』と『お妾さんが生んだ跡継ぎの男の子』が4人そろって新生児検診にいらっしゃっているのを、私自身お見かけしたこともあります。

でも…

苦しくて悲しい状況に置かれている子供たちケースで、親の背景を見てみたら…ナルホドネ、と思ってしまうことの、なんと多いことか…






以前のように、輸出業界の、大人の独身女性がバリバリ働いているような場所にいたら、私は今のような考えには至らなかったかもしれません。
けれど、妊娠・出産・育児の入り口に日々携わる今、良い悪いではなく、『普通の結婚と出産』をすることが『常識』であることを忘れてはいけないと、仕事柄…思います。






何が幸せかなんて、本人にしか決められないんだから。
世間の常識やら枠組みにとらわれたりしない!

そう、肩ひじを張るのは簡単。
でも、自分や自分の子供のカルテを赤いフォルダには入れたくない…と素直に思う自分がいることも事実。

…だから…
今の愛人生活が、世間一般常識から外れたものであることを忘れてはいけない。
『異常なんですよ』という、あの日のチーフの言葉は私に向けられたものではなかったけれど…自分もそこに当てはまるのだということを、忘れてはいけないと思うのです。











今朝、『玉の輿には乗れなかったけど、この子がいる限り私の生活は安泰』と分娩台の上で言い放った女性と、そのお子さんの幸せをお祈りします。



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